検索で出てくる心理カウンセラー資格は取得しても意味がない?

[word_balloon id=”2″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” name=”生徒” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true”]心理カウンセラーになるにはどんな資格が必要?友達が1日講座でプロの資格取ったって言ってたんだけど、誰でも民間講座で簡単にカウンセラーになれるの?[/word_balloon]

こういった疑問にお答えします。

この記事を書いている僕は国立大学院で心理学を専攻しています。

心理カウンセラーになるには2つの資格しかない

心理カウンセラーとは、心理療法等を用いて心理支援を行う心理学の専門職のことです。
正確には心理カウンセラーという職業はありませんが、この記事ではあえて心理カウンセラーという名称で書き進めます。

結論をいうと、心理カウンセラーになるには、臨床心理士・公認心理師のいずれかの資格が必要です。これらの資格は大学・大学院で心理学を修め、資格試験に合格することで取得できます。

主に医療・教育・福祉・産業などの領域で勤務します。これら以外の資格では取得しても心理カウンセラーになることはできません。

試しにマイナビなどの大手求人サイトで心理カウンセラーの検索をしてみてください。臨床心理士・公認心理師資格を条件とする募集がほとんどです。

検索で出てくる怪しい心理カウンセラー資格

しかし、心理カウンセラーと検索すると、メンタルカウンセラーなど謎の資格がたくさんヒットします。「あなたもプロのカウンセラーに」などの甘言とともに講座内容が示されています。

先にお伝えした通り、現実的に臨床心理士、公認心理師の資格がなければ心理カウンセラーとして働くことはできません。そのため、巷に溢れる〇〇カウンセラーという資格をいくら取得しても、仕事にはなりません。

こちらも同じく大手求人サイトで「メンタルカウンセラー」などその資格名を検索してみてください。求人がないのがわかるでしょう。

役に立たない心理カウンセラー資格を推奨する記事

では、なぜこのような役に立たず、社会的に認められていない資格講座が検索で数多くヒットするのでしょうか?

その理由はアフィリエイトです。

アフィリエイトとは商品(ここでは通信講座など)を紹介することでその商品の売り上げ代金の一部が紹介者に入るという仕組みのことです。

以下の画像は2020年4月現在のものです。

シークレットモードで「心理学 カウンセラー」とGoogle検索をかけてみました。「メンタルケア心理士」「メンタル心理ヘルスカウンセラー」などよくわからない資格がトップにヒットしています。

これらは広告ページなのですが、その下の一般的な記事でも「社会人でも簡単に心理カウンセラーになれる」などと記載され、最もおすすめな心理カウンセラー資格として臨床心理士・公認心理師を差し置いて「メンタルケア心理士」が挙げられていました。

このような記事は数えきれないくらいあります。

臨床心理士・公認心理師などの資格を紹介したところで1円にもならなりません。一方、簡単な講座で取れる心理カウンセラーの資格の多くは、アフィリエイトが存在します。

そのため、臨床心理士・公認心理師の資格を紹介せず、わけのわからない通信講座が一番役立つかのような書き方になるのです。

とはいえ、アフィリエイトとはそういうビジネスモデルなので、アフィリエイターが悪いわけではありません。

しかし、いかにもその資格を取れば将来心理カウンセラーとして働けるかのように誘導する現状は問題であると思います。消費者の側が気をつけるしかありません。

甘い誘惑に乗らない

このような問題を解決するためには、心理カウンセラーになるには大学・大学院で心理学を修め、臨床心理士・公認心理師の資格を取る必要があるときちんと認識することです。

甘い誘惑に乗ってしまえばただお金と時間を無駄にしてしまうだけです。医者でも弁護士でもそうですが、専門職になるのに2-3日の座学だけで良いわけがありません。

普通に考えればわかることですが、記事の書き手はプロのライターです(Google検索でトップ取るのはかなり難しい)。すぐに信じ込まされてしまいます。

ただ、「今更、大学・大学院に入り直して心理カウンセラーを目指すなんて無理だ!」という方もいらっしゃることでしょう。

そこで、最後に臨床心理士・公認心理師資格以外でも心理カウンセラーとして働ける可能性がある心理系の資格を紹介しておきます。以下の通りです。

<信頼性:超高>

・臨床心理士

・公認心理師(院卒)

<信頼性:高>

・臨床発達心理士

・学校心理士

・特別支援教育士

<信頼性:中>

・産業カウンセラー

・認定心理士

ここまでです。この他は信頼性なしと割り切っておいた方が良いでしょう。
ちなみに社会人からでも目指しやすいのは、認定心理士、産業カウンセラーです。

個人的には通学なしで、社会人から心理職に就きたいという方には、認定心理士をおすすめしています。まれにですが、認定心理士の求人はあります。

心理学を真剣に学びたい方は検討してみてください。きっと得るものは大きいと思います。

勉強が無駄なわけではない

ここまでの記事を読んでしょんぼりしてしまった人もいるでしょう。

「今から民間の通信講座でプロを目指そうとしていたのになんてこと書くんだ!」という方もいることでしょう。

僕がこの記事で書いたことはあくまで「仕事には役に立たない」ということです。
その資格を取って心理職に就職しようとしているなら時間とお金の無駄だという話です。

個人レベルで教養を深めたり、独学で勉強する分には無駄にはならないと思います。
それぞれの講座も商売ですから、できるだけ良いものを提供しようとしているはずです(そう思いたいものです)。

なので、あなたが既にこのような講座を受けていたからといって無駄にはなりません。
ただ、この記事の内容を知った上でご自身で選択されることをおすすめします。

 

というわけで、今回は以上です。

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