メンタリズムと心理学はよく混同されます。
しかし、この2つは重なるところもあるものの、実は全く違うものです。
本記事ではメンタリズムと心理学の違いをお伝えします。
結論からいうと、
・メンタリズム→エンターテイメント
・心理学→学問の1つ
という違いがあります。
メンタリズム
メンタリズムは、マジック・心理学などを利用して超常現象を再現することで相手を楽しませます。メンタリズムの範囲はさまざまですが、一般的にマジック・催眠術・記憶術・観察術・NLPなどが主なものです。
メンタリズムの概論書は↓
たとえば、メンタリストDaiGoさんが行うフォーク曲げでは、硬いはずのフォークがぐにゃぐにゃと曲がりますね。
フォーク曲げは、超常現象を再現しているパフォーマンスです。目の前でフォークがぐにゃぐにゃと曲がる姿に観客は盛大に湧きます。
これがメンタリズムです。
実際にはカラクリがあります。ざっくり言うと、あらかじめ「てこの原理」を用いてフォークを曲げておき、それが今まさに曲がっているかのように目の前で見せているだけです。
フォーク曲げは↓の動画で種明かししています。
要するにメンタリズムはどこまでいってもエンターテイメントです。お客さんを楽しませるために超常現象を再現するパフォーマンスだということです。
心理学
一方、心理学は、学問です。
数学・哲学・化学などと同じく学問の一つです。なので、大学には心理学部があります。
心理学と聞くと「心理テスト」や「相手の心読めるの?」と思う人も多いと思いますが、それはメンタリズムであり心理学ではありません。
心理学は人間の心を科学的に研究する学問であり、1879年にヴントがライプチィヒ大学に実験心理学研究所を置いたことに始まります。
なので、エンターテイメントを前提にしているメンタリズムとは大きく異なり、科学的研究により、人間の心を解明し、それを社会に役立つよう応用する学問です。
心理学の知見を活かした仕事に「心理カウンセラー」がありますが、大学院で学ばないと取れない資格から民間で数時間座学するだけで取れる資格までピンキリです。
ただ、心理学が学問であるという事実を考えると、大学・大学院で学ばないと取れない心理学資格以外は全てメンタリズム的資格です。
つまり、それらは心理学の資格ではなく、エンターテイメントのための資格であり、それ以上ではありません。
「人の心を読めるようになるために心理学部に入学したら難しくて挫折した…」なんて話をよく聞きますが、それは心理学が学問だからです。
数字を使ったマジックができるようになるために大学の数学科に入学するようなものです。
この点については↓の記事で解説しています。
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ですから、学問レベルではなく心理学を楽しみたいだけという方は、メンタリズムを学ぶと良いでしょう。
というわけで、今回は以上です。