【ベック式&エリス式】認知の歪みを正す心理学

 

<この記事でわかること>

・認知の歪みについて
・メンタルケアの知識と具体的な技法

認知の歪み

人は皆それぞれ個性があり、考え方に違いがあるのは良いことです。
しかし、あまりにも考え方が歪んでしまうとうつ病など精神疾患に罹患するリスクを高めてしまいます。

実際、うつ病患者は特有の考え方の癖を持っていることがわかっています。
この考え方の癖のことを心理学では「認知の歪み」と呼びます。

認知の歪みとは、「完璧でなければならない」「白黒はっきりさせなければいけない」などの偏った考え方のことです。

簡単にいうと「こうあるべき」という考え方のことです。
英語では「have to」ですね。

あなたは以下のような考え方を持っていませんか?

・1つのミスで全部がダメだと感じてしまう
・怒られた内容が一日中頭をぐるぐるめぐる
・「自分には価値がない」「なぜ自分は何をやってもダメなんだ?」と「自分」について深く考え込んでしまいがち

当てはまるようであれば、あなたもうつ病予備軍かもしれません。

でも、安心してください。
科学的根拠にもとづいた予防法があります。

心理学の知識を身につけて正しく実践すれば対処可能です。

逆に精神論や科学的根拠のない方法では、上手く対処できなかったり悪化したりするリスクがあるので注意してくださいね。

「認知の歪み」への対処法としては、認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy;以下CBT)の知識が役立ちます。

CBTはうつ病に対して有効な心理療法として知られており、うつ病の原因となる「認知の歪み」を正していくことができます。

今回は2つの方法を紹介したいと思います。

ベック式

ベックは認知行動療法の開発者の一人です。

米国で行われた心理学者が選ぶ尊敬する心理学者アンケートにおいて2位を獲得した人物です(ちなみに1位はロジャース)。

ベックは、「過去の体験」が人生のルールである「スキーマ」を作り出し、その「スキーマ」が「推論の誤り」をすることで「自動思考(ネガティブ思考)」を生み出すことで最終的にうつ病になるというモデルを提唱しました(下図)。

 

ベックは主に「自動思考」へのアプローチを行いました。具体的にはコラムシート(下図)を使い、クライエントが持っている偏った考え方(認知の歪み)とは異なる「別の考え方」が出てくるように面接を行いました。この方法は「認知再構成法」と呼ばれています。

コラムシートは左から順番に進めていきます。

①まず、ネガティブな出来事を書き出します(1つ)。
Ex. 上司と口喧嘩した。

②その時の感情と%を書き出します(複数可)。
Ex. 「怒り 90%」

③その状況で自動的に浮かんだ考えを書き出します。
Ex. 「あいつだけは許さない」

④③とは異なる別の考え方を探して書き出します(他の人ならどう考えるか?)
Ex. 「上司は普段からすぐ怒るし反応せずに放っておいたら良い」

⑤別の考え方を取り入れらとしたら②の気持ちは何%になるか書き出します。

Ex. 「怒り 40%」

ネガティブな体験があるなと感じる度にやってみてください。

なお、認知行動療法はセルフヘルプ本が出版されており、その効果も科学的に検証されています。
本格的に自分で行いたい人は↓の本をおすすめします。

実際、この本は心理学論文に掲載されるぐらい科学的根拠がしっかり示されているものです(ページ数が多いので迷う方はコンパクト版からお試しください)。

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エリス式

次に紹介するのは、同じく認知行動療法の創始者の一人であるエリスのモデルです。

結論からいうと、エリスは「自動思考」への「反論」を重視したABCDEモデルを提唱しました(下図)。

図の左から順番に解説していきます。

①ネガティブな出来事が起きる。
Ex. 「失恋」

②「こうあるべき」という非合理的な信念(イラッショナル・ビリーフ)がある。
Ex. 「Aちゃんは僕と付き合わなければならない(この考え方は歪んでおり非合理的思考)」

③問題が生じる
Ex. 「ストーカー」

④そのため、②に対して反論を行う。
Ex.「 Aちゃんが僕と付き合わなければならないという『証拠はあるか?』と自分に尋ねる」

⑤問題は生じない
Ex. 「ストーカーにならず『付き合えたら嬉しかったけどな…』ぐらいで終わる』

エリスの技法は一般に「論理療法」と呼ばれています。

彼はうつ病など問題のある結果を引き起こすのは、非合理的な信念(イラッショナル・ビリーフ)であると考えました。

この非合理的な信念に「反論」することで、歪みを正そうとする技法が「論理療法」です。

具体的には「証拠はあるか?」と自分に問いかけていきます。

 

Ex.論理療法のやり方

自動思考:「Aちゃんは僕と付き合わなければならない(非合理的信念)」

自分:「証拠は?」

自動思考:「Aちゃんは僕のことが好きなはずだから」

自分:「Aちゃんが僕のことを好きだという証拠は?」

自動思考:「昨日も僕に話しかけてくれたんだもん」

自分:「『話しかける=自分のことを好きだ』という証拠は?」

自動思考:「・・・」

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ベック式もエリス式も自分で行える方法という点で共通しています。

ぜひ科学的根拠のある方法でご自身のメンタルケアに努めてください。

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