今回の記事では
Amazonユーザーが購入しやすい心理学の良書を教えてください。
何度も読みたくなる良書すぎるやつお願いします。
こういった疑問にお答えします。
この記事を書いている僕は大学院で心理学を専攻しています。
Amazonで買える心理学の良書5選
今回は僕が全くの初学者でAmazonで心理学書を買うなら?という視点で5冊選んでみました。
なので、心理学に興味を持つきっかけになるような本を紹介したいと思います。紹介する本は以下の5冊です。
・自分でできる対人関係療法(臨床心理学)
・オプティミストはなぜ成功するのか?(ポジティブ心理学)
・影響力の武器 第3版(社会心理学)
・ファスト&スロー(行動経済学)
・脳と心のしくみ(脳科学)
では、それぞれについて紹介していきます。
自分でできる対人関係療法
対人関係療法(Interpersonal Psychotherapy)のセルフヘルプ本です。一般の人向けに書かれており、専門書としてはかなり易しい内容です。
対人関係療法とはその名の通り「対人関係」に焦点を当てた心理療法で、特にうつ病に対する効果が高く、現状ではすべての心理療法の中でもっとも効果がある技法です。
「対人関係」を扱う心理療法なので、うつ病でなくても日常の人間関係の悩みに役立つ考え方が散りばめられています。また、対人関係療法は心理教育の側面が強い心理療法で、その内容を知っているだけで治療効果があるとされています。
オプティミストはなぜ成功するのか?
ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマンの著書です。ポジティブ心理学とは2000年以降に成立した比較的新しい学問です。
これまでの心理学は精神疾患など心の負の側面に焦点が当てられてきましたが、ポジティブ心理学では「健康な人がさらに健康に」と考えられており、患者だけではなく全ての人が心理学の恩恵を受けて豊かな生活を送ることができるよう研究が進められています。
楽観性についての研究紹介やネガティブ思考をマネジメントする方法(認知行動療法など)が豊富に紹介されています。
ネガティブ思考に悩んでいる人にとっては、今すぐ役立つ有益な本です。
影響力の武器 第3版
社会心理学の名著。この分野では知らない人はいないというくらい有名な本です。
人間が持つ自動反応について解説されており、いかに私たちが自動反応に支配されているかを思い知らされます。
自動反応とはまるでカセットテープのボタンを「カチッ」と押したら「サーッ」と音声がながれるような人間に組み込まれた抗えない反応のことです。
具体的には、権威・コミットメントと一貫性・好意・返報性・希少性・社会的証明が自動反応として取り上げられています。
たとえば、返報性は親切にされたら何かお返しをと自然に考えてしまう自動反応です。スーパーで試食したら「何か少しでも買わないと・・・」と考えてしまうのも返報性の原理が働くことによります。
ファスト&スロー
心理学と経済学を掛け合わせた行動経済学の創始者ダニエル・カーネマンによる著書です。カーネマンは認知心理学者でもあります。
今や行動経済学なしに経済は語れません。行動経済学の手法は各国の政策に組み込まれるほどその重要性を増しています。
従来の経済学では「合理的人間」というものを前提に考えられていましたが、人間は合理的な生き物ではありません。
今、勉強すれば将来のためになると頭ではわかっていても、勉強は後回しで楽しいゲームをしてしまうのが人間です。
人間がいかに合理的ではないか、いかに思い込みの世界を生きているかがよくわかります。行動経済学の入門書として相当おもしろい本です。
脳と心のしくみ
最後に紹介するのが脳科学の本です。
特に70年代以降の心理学では「脳=心」と定義されて研究が進められてきたにもかかわらず、心理学部で脳のことを学ぶ機会はほとんどないくらい両者は実際には接点が少ない学問です。
しかし、「脳=心」と考える以上、脳科学についての基礎理解は不可欠です。なぜ脳科学がスルーされるかというと、そのとっつきにくさに原因があると思います。
実際、脳科学と聞いただけで難しいイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
この本は脳科学の入門書にふさわしく、図鑑と銘打っているだけあってイラストが豊富で、はじめて脳科学を学ぶ人に最適な本です。脳科学の視点を取り入れることで心理学が一層おもしろくなります。
というわけで、今回は以上です。