メンタリズムとはマジックや心理学を利用したエンターテイメントのことです。
そんなメンタリズムの教科書と呼ばれる『メンタリズムの罠』を読んだのでレビューしたいと思います。
ちなみに著者は世界的に有名なイギリスのメンタリストであるダレン・ブラウンです。
『メンタリズムの罠』を読むメリット
結論からいうと、この本を読むメリットは以下の2点です。
・世界一のメンタリストのテクニックが学べる
・メンタリストが押さえておくべき技術が網羅されている
この本は日本で唯一のメンタリストDaiGoさんが訳しており、彼がこの本をもとにメンタリズムを学んできたことがよくわかります。
一部で訳がイマイチだと言う人もいますが、個人的には特に読みにくさは感じませんでした(訳がイマイチだと言う人はどの訳本でも一定数います・・・)。
また、DaiGoさんがダレン・ブラウンのことが好きだというのが伝わってくるので本全体として良いものになっていると感じます(著者を知らない人が訳すよりよっぽど良い・・・)。
『メンタリズムの罠』で学べる内容
『メンタリズムの罠』で学べる内容は以下のとおりです。
・メンタリストとしてのマインド
・マジック
・記憶術
・催眠術
・無意識のコミュニケーション(嘘の見抜き方など)
どれもメンタリストが習得しておくべきテクニックです。
一見テーマがバラバラのように感じられるかもしれませんが、これらの要素が集まってメンタリズムというジャンルを作り出しているのです。
この本の内容を押さえておけばメンタリズムの全体像が理解できることでしょう。
個人的にダレン・ブラウンが凄いと感じたのは、嘘の見抜き方の解説においてベースラインに言及している点です。
多くのメンタリストは経験で導き出した独自の方法論を紹介しているケースが多いですが、彼がこの本で記載している嘘の見抜き方は極めて科学的です。
実際、虚偽検出の分野の大家アルダート・ヴレイという科学者とダレン・ブラウンが主張していることが同じです。前書きで「一部アカデミックに書いた」と述べているのもうなずけます。
具体的には嘘の絶対的指標はなく、ベースラインとの比較で嘘を見抜くという方法です。
とはいえ、メンタリストとしてのダレン・ブラウンの経験上言えることも盛り込まれており、顔・手・足・まばたきなどメンタリストが相手の心を読むための観察ポイントも解説されています。
また、巷に広がる嘘を見抜くNLPのアイアクセシングキュー(目の動きで嘘を見抜く技術)に対して疑問を呈していることも共感できます。
NLPの有用性については科学的根拠はありません。なので、NLPを学んでも嘘を見抜けるようにはならないのですが、信じ込んでいる人が多いのも事実です。
このように嘘というテーマ一つとっても最新の科学的知見やダレンブラウン自身の経験がが反映されている『メンタリズムの罠』は一読の価値ありでしょう。
これからメンタリストになりたいと考えている方、メンタリズムとは何かを知りたい方にとって『メンタリズムの罠』は最初に呼んでほしい本です。
というわけで、今回は以上です。