対人関係ストレスの3つの原因と心理学的3つの対処方法

対人関係ストレスはなぜ起こるのだろう?学校でも人間関係に疲れてしまっている友達が多いのだが・・・

対人関係ストレスの原因

対人関係ストレスに悩む人は後を立ちません。

「仕事で上司に怒られた」
「恋人にふられた」
「友達との関係がうまくいかない」

・・・など

「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」(A. アドラー)とはよく言ったものですね。

 

ところでなぜ対人関係ストレスは生じるのでしょうか?
結論からいうと、対人関係のストレスは以下の3つが主な原因です。

・理想と現実のズレ
・情動の磨耗
・認知の歪み

それぞれについて解説します。

期待と現実のズレ

1つ目は、理想と現実のズレです。

対人関係ストレスの最大の原因は、理想と現実のズレです

カウンセリングの神様と称されるロジャースは、理想(自己概念)と現実(体験)のズレの大きさによって精神疾患などの問題が生じると主張しました。また、この2つの解離が大きければ大きいほどその問題や症状は大きくなるとしました。

そして、理想と現実を一致させることが治療につながるとしました。

余談ですが、ロジャースは、過去に2回行われた「アメリカ心理学会のセラピストに影響を与えた人物の調査」という調査において1982年、2009年のどちらもランキング1位を獲得しています。

現在、400以上の心理療法が存在し、その数だけセラピストがいると考えると、ロジャースの影響は計り知れないものだと言えます。

少し話はそれましたが、もう一度言うと、対人関係ストレスの最大の原因は理想と現実のズレです。

例を挙げてみましょう。

例えば、「理想の自分はたくさんの人に囲まれてみんなから好かれる」だとしましょう。
しかし、現実は「誰からも好かれず友達もいない」とします。

思いっきり理想と現実がズレていますね。

これでは苦しいわけです。
対人関係ストレスを思いっきり受けてしまいます。

対処法は後ほどお伝えします。
ここでは「理想と現実のズレが対人関係ストレスの原因になる」ということを押さえておきましょう。

理想と現実のズレがストレスになるという心理学的説明は、↓の本がわかりやすいです。

情動の磨耗

2つ目は、情動の摩耗です。

情動の摩耗は、感情のすり減りだと考えてください。

対人関係に限らず、ストレスを受け続けると情動の摩耗が起こります。
情動には量があります。コップの中に入った水のように、情動の量は決まっています。

ストレスを受け続け、情動の摩耗が起こると、やがてバーンアウト(燃え尽き症候群)という現象が起こります。
その結果、頑張りたくても頑張れない、動きたくても動けないという状態になります。

実際、バーンアウトを測定する検査にも情動の摩耗を測定する項目が含まれます。

このような状態ではストレス耐性が下がり、対人関係ストレスも過剰に受けてしまう原因になります。

情動の摩耗についても例を挙げましょう。

僕自身がある障害者施設に管理者として関わっていた時、元教師の先生が勤務していました。
その方は30年以上教師をされてきた方でベテランでした。

しかし、学校の生徒とは勝手が異なるので日々情動を摩耗し、最終的にバーンアウトして退職されました。
「一生懸命良かれと思ってやっているのに伝わらない」と嘆いておられました。

このように情動の摩耗は対人関係ストレスを増幅させ、最悪バーンアウトにつながってしまいます。

バーンアウトについては↓の本が詳しいです。

認知の歪み

3つ目は、認知の歪みです。

認知の歪みとは、物事に対する捉え方の歪みのことです。思考の歪みですね。

認知が歪んでいると、相手が何もしていないのに「自分のことを嫌っている」「無視してきた」など間違った認識が生じます。

また、「こうあるべき」という強い信念がストレスを生み出し、対人関係もメチャクチャに破壊してしまいます。

結果、対人関係ストレスの大きな原因になります。

ちなみに、うつ病患者には認知の歪みと対人関係問題がよく見られます。

例を挙げてみましょう。

挨拶をしたのに相手が返事をしなかったとしましょう。

認知の歪んでいる人は、「私のこと嫌っているんだ」「無視されている!」と考えてしまいがちです。

一方、特にそのような歪みがなければ

「聞こえてなかったのかな?」
「忙しくて心こここにあらずか」

などと考えて、特に気にしないでしょう。

もちろん、あからさまな嫌がらせとかなら別ですが・・・
相手が普段から普通の人であればの話です。

さて、ここからは対人関係ストレスに対処する方法をお伝えします。

対人関係ストレスの解決法

対人関係ストレスの原因への対処法は以下のとおりです。

・理想と現実のズレ→コミュニケーション分析
・情動を摩耗しない→瞑想
・認知を変える→CBT

1つずつ解説しますね。

コミュニケーション分析

理想と現実のズレにはIPTのコミュニケーション分析という技法が有効です。

IPTとは対人関係療法という心理療法のことです。

コミュニケーション分析の手順は以下のとおりです。
対人関係のトラブル場面について考えながらおこなってください。

①相手と自分のやりとり(コミュニケーション)を紙にできるだけ全部書き出す
②相手と自分の期待のズレ(コミュニケーションのズレ)を洗い出す
③どのような言葉をかければ修正できるか作戦を練る
④現実場面で試す
⑤再度分析をして作戦を練り直す

ポイントは③と④です。
修正できそうなコミュニケーションが見つかったら、実際に相手に声に出して伝えるというのがポイントです。

日本人は「暗黙の了解」「言わなくてもわかる」みたいな文化がありますが、これが対人関係トラブルのもとです。

きちんと自分が何を期待しているのかを相手に言葉で伝え、逆に相手が自分に何を期待しているのかを言葉で聞き出してください。

これができる人は対人関係ストレスに悩むことはありません。

これまで対人関係に悩んできた人は、互いの期待のズレが対人関係トラブルの問題だとよく理解しておいてください。

コミュニケーション分析については、↓の本がわかりやすいです。

対人関係療法そのものについて専門的に知りたい方は↓もおすすめです。

マインドフルネス瞑想法

情動の摩耗は、感情のすり減りですから、感情的になる状態をなるべく減らせば対処することができます。

おすすめはマインドフルネス瞑想法です。

マインドフルネス瞑想法は、呼吸に意識を向けることでストレスを緩和するものです。

ポイントは呼吸だけに集中することです。
他のことは一切考えないようにします。

やることはこれだけです。
息は鼻から吸って口から吐いてください。

途中「晩ご飯何かな?」など雑念が浮かんできますので、その時は「考えた」とだけ心の中でつぶやいてまた呼吸に意識を向けなおしてください。

時間は10分を目標に継続してみてください。

日常生活でも感情的になりそうになったら、マインドフルネス瞑想法を瞬時に行うと情動の摩耗を防げます。

マインドフルネス瞑想法については↓がおすすめです。

※中古で買う場合CD付きのものを買いましょう。

CBT(認知行動療法)

認知の歪みに対処するにはCBT(認知行動療法)がおすすめです。

専門的にはいろいろやり方がありますが、超簡素化してお伝えします。

ネガティブな思考が浮かんできたら「証拠は?」と自分に聞いてください。

それだけです。

少し補足しておくと、認知の歪みは非論理的な考え方から生まれます。
なので、論理的な考え方に弱いのです。

先ほどの挨拶の例で考えてみましょう。

「挨拶をしたのに相手が返事してくれなかった。だから、相手は自分のことを嫌っている。」

という考え方でしたね。

このような考え方に対して「証拠は?」と聞くと、もちろん証拠なんてないわけです。
相手に直接聞いたわけでもないですし、ただ自分勝手に予想しているに過ぎません。

そのため、非論理的思考が崩れて認知の歪みが修正されやすくなるのです。

この手法は論理療法という心理療法を参考につくられたものです。
この技法については、↓本が詳しいです。

 

というわけで、今回は以上です。

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