口元を見れば嘘を見抜ける?不随意筋を見れば本心が見える

生徒
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ネットで「口元を見れば嘘が見抜ける!」という記事を読んだんだけど、本当かな?口元は心理学的に何を表しているんでしょうか。教えてくださいな。

口元は嘘の指標になる

結論からいうと、「口元は嘘の確実な指標ではないが、比較的信頼性が高い指標」です。なぜこのようにいえるかというと、口周りの筋肉は意識して動かすことが難しいからです。

自分の意思で動かすことができない筋肉は不随意筋と呼ばれ、表情分析学においても信頼性が高いものとされています。表情分析学とは表情と心理学の関係を科学的に研究している学問のことです。

そのため、「本心が口元にでやすい」はある程度正しいです。

また、日本人は特に口元に本心が出やすいとも言われているので、口元を丁寧に観察することで、嘘を見抜ける確率はある程度上がるといえます。

表情統制が上手いケース

1つ具体的な事例を紹介したいと思います。

僕は教育学の専門であり、学校や民間の教育機関で勤務していました。

ある民間教育施設で勤務していた頃、とても表情統制が上手い小学生の男の子がいました。彼は言われたことは何でも素直に聞く子でした。

なので、周りからも従順な子だと思われていました。

あるとき、ある職員が「〇〇くんは次の遠足楽しみにしてるもんね?」と笑顔で尋ねました。すると、その男の子は笑顔で「ウン!」と答えたのですが、その発言の後、一瞬だけ口元が硬く結ばれていました。時間でいうとコンマ数秒ほどであり、おそろしく表情統制が上手かったのです。

この後、僕がこっそり「本当は遠足行くの嫌なんじゃないの?」と聞くと、驚いた顔をして小さくうなずきました。実際、あとで聞くと、大勢で出かけることが苦手だったようです。

このケースのように、嘘を見抜く指標として口元を見ることはある程度役立ちます。それは先ほどお伝えしたとおり、口元には自分の意思では動かせない不随意筋が存在しているからです。

特にこのケースのように口を固く結ぶ動きは、何かを拒絶しているときによく見られる反応ですので、覚えておくと役立ちます。

このしぐさは発言の後の一瞬だけ現れるケースが多いので、相手が発言した後、口元がどのように動くのか注意して見てください。

顔の左側は本心を表す

少し深掘りすると、口元に限らず、本心は顔の左側に現れる傾向があります。

たとえば、自然な笑顔は左右どちらもの顔が笑っているものですが、顔の左側だけ笑っていないような左右非対称な表情が見られれば嘘の笑顔である確率は高くなります。

表情分析の世界でも、「軽蔑(Contempt)」という普遍的表情がありますが、これは片方の口元の筋肉だけが持ち上がる左右非対称な表情です。

軽蔑の表情は相手を騙したり、陥れようとしたりなど悪意を抱いているときに現れる表情であり、表情分析の世界において危険な表情だとされています。

相手の表情を見るときは、「左右対象かどうか?」「特に顔の左側の表情はどうか?」といった点を意識しながら観察すると良いでしょう。

この2点を押さえながら観察を続けていくと、徐々に精度があがっていくはずです。

不随意筋を観察する

ここまで口元についてお伝えしてきましたが、嘘を見抜く上で重要なことは「不随意筋を観察すること」です。

口元の他、目元を動かす眼輪筋も不随意筋なので、合わせて観察すると良いでしょう。自然な笑顔は、目尻にしわが現れます。

よく「目が笑っていない」と言いますが、これは眼輪筋が動いていないということであり、私たちは不自然さを感じます。

心理学やその近接領域を学んでいると、一度は人間の嘘を見抜けるようになりたいと考えるものです。

しかし、多くの人は嘘を見抜けるようになりません。

実際、職業的に嘘を見抜く必要がある警察官でさえ、嘘を見抜ける確率は5割程度だというデータも出ています。それほど嘘を見抜くのは難しいことなのです。

嘘を見抜くのが難しい理由はいろいろ考えられますが、心理学者のハーテンステインは社会で広がっている誤った嘘の手がかりに惑わされるからだと指摘しています。

たとえば、「右上を見ると嘘をついている」という手がかりは誰しも耳にしたことはあると思いますが、これは間違った手がかりです。

このように本当は間違っているけれど、それっぽい手がかりが蔓延していることで、嘘を見抜くことが困難になっているというわけです。

この記事を読まれたあなたは、ぜひ惑わされることなく、「不随意筋」に焦点を当てて観察を続けてみてください。

やがて、正確に嘘を見抜くことができるようになるでしょう。

 

というわけで、今回は以上です。

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