[word_balloon id=”2″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” name=”生徒” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true”]心理学的に相手の嘘を見抜く方法あるの?
どこに嘘のサインは現れるの?[/word_balloon]
こういった疑問にお答えします。
嘘を見抜くにはベースラインが肝
嘘を見抜く方法は1つしかありません。
それはベースラインとの差を見ることです。
ベースラインと差があるとき、人は何かを隠している可能性が高いのです。
ベースラインとは普段の状態のことです。
例えば、鼻炎の人は普段からかゆくて鼻ばかり触っているでしょう。
この人は鼻を頻繁に触ることがベースラインです。
そのため、あなたの目の前で鼻を触ったからといって「嘘をついた!」とは言えません。
ただかゆいだけでしょう。
重要なのは相手が「普段とどれくらい違うしぐさを見せたか?」です。
巷には「嘘の見抜き方!」みたいな本が溢れていますが、どれもベースラインについて言及していません。
そのような本は信用できないと考えた方が良いでしょう。
ベースラインの測定
嘘を見抜くためには、ベースラインの測定が必要です。
先ほどお伝えした通り、ベースラインとはその人の普段の状態です。
具体的には普段行っているしぐさのことです。
最初はざっくりでいいので、相手がどんなしぐさをしがちなのか観察してみてください。
「まばたきが多いな」「よく鼻を触る」など、ざっくりで良いのでベースラインを見つけましょう。
いきなり複数のベースラインを測定するのは難しいので、まずはどれか1つだけ見つけてください。
最低3回はベースラインとなりそうなしぐさを観察する機会をつくります。
そして3回とも同じしぐさが多く見られれば、そのしぐさが相手のベースラインだと考えて良いでしょう。
これがベースラインの測定方法です。
慣れれば、2つ3つ見つけていくことができるようになります。
ベースラインとの差の検討
ベースラインとなるしぐさが見つかったら、ベースラインのしぐさと目の前で相手が行っているしぐさとの差を検討します。
ここで差が生じていると、相手が嘘をついている確率は高くなります。
具体的には「普段腕組みしない人が特定の話題のときだけ腕組みをする」などです。
つまり、相手がベースラインから外れた頻度でそのしぐさをしているならば、怪しいということです。
余談ですが、なぜ嘘をつくと人のしぐさは普段と変化するのでしょうか?
それは認知的負荷が原因です。
自分が嘘をついている時のことを考えてもらうとわかると思いますが、なんか心苦しいですよね。うしろめたさがある感じですね。これが認知的負荷です。この認知的負荷がしぐさにでます。
例えば、普段身振り手振りをして話している人が嘘をつくと、急に身振り手振りがなくなったりします。
とにかくベースラインと目の前の相手のしぐさに差があるということは、何か隠していると疑って良いでしょう。
嘘の指標
嘘を見抜くにはベースラインとの差を見る必要だとお伝えしましたが、ピノキオの鼻のように嘘を表す指標はないのでしょうか?
結論を言うと、残念ながらそのような指標は今のところ見つかっていません。
嘘を表す明確なサインは存在しないのです。
ただ、確実とは言えないまでも、1つだけ高確率で嘘の指標として機能するものがあります。
それが瞳孔です。
人間は強いストレスを感じると神経系の働きにより瞳孔が開きます。
嘘をついているとき人は認知的負荷を抱えていますから、瞳孔に変化が見られる可能性は高いでしょう。
このことは生理学的に確かめられている他、心理学研究においてもデパウロらが嘘の非言語的手がかりとして瞳孔の効果量が最大であったことを報告しています。
なので、嘘の指標の有力候補は今のところ瞳孔です。
瞳孔が上手く観察できるようになると、嘘を見抜く能力はかなり上がるといえるでしょう。
ただ、確率は高いとはいえ、確実な嘘の指標が存在しないことは先にお伝えした通りです。
参考文献
マシュー・ハーテンステイン(2014). 卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学 文藝春秋
アルダート・ヴレイ(2016). 対人関係から犯罪捜査まで 虚偽検出に関する真実 嘘と欺瞞の心理学 福村出版