信頼できる心理カウンセラーの資格を知りたい人
[word_balloon id=”2″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true”]・信頼できる心理カウンセラーの資格は?
・就職に有利な資格は?
・セラピストとカウンセラー何が違う?[/word_balloon]
こういった疑問にお答えします。
なお、この記事ではあえて心理学資格をわかりやすくするために、全て「心理カウンセラー資格」として紹介しています。
この記事を書いている僕は、国立大学院で心理学を専攻しています。
ブログ・Youtube・セミナーなど、心理学の情報発信歴は3年ほどです。
心理学に興味を持ち学んでいくうちに、「心理学で仕事がしたい!」と感じることがあると思います。
僕自身も最初は書籍を読んでいただけでしたが、やがてカウンセリングをして人の心を癒していきたいと思うようになりました。しかし、資格の種類が多すぎてどんな資格を取れば良いかわかりませんでした。
とはいえ、実際に心理学を大学で専攻すると心理業界の資格の実態が見えてきました。
そこで今回は、心理学で仕事をするために必要な資格について解説します。
✔︎信頼できる心理学資格は基本2つだけ
結論を言うと、信頼できる心理カウンセラーの資格は基本的に以下の2つだけです。
・臨床心理士
・公認心理師
臨床心理士
臨床心理士は大学院で所定の単位を修め、臨床心理学の修士号を得ることで受験可能となる心理カウンセラーの最難関資格です。認定は日本臨床心理士資格認定協会が行いますが、この機関は文科省の管轄下にあります。
そのため、臨床心理士はスクールカウンセラーの資格要件になっています。
心理療法に長けており、特に1対1のカウンセリングを専門にします。
公認心理師との主な違いは民間資格であること(正確には半官半民)と、調査・研究を行う点です。
公認心理師
2018年に第一回の試験が行われた新設された国家資格です。
新設資格のため今後の活躍は未知数ですが、1対1のカウンセリングというよりは予防や連携、公的な情報提供を重視する傾向にあります。また、アセスメントにも強くなると考えられます。
臨床心理士との主な違いは、国家資格であること、国民に対して健康教育を行う点です。
ざっくり言うと、臨床心理士は心理療法の専門家で、公認心理師は連携・予防・情報提供の心理学の専門家というイメージです。
いずれにせよ心理カウンセラーの専門資格としては、臨床心理士・公認心理師が信頼できる資格です。
※注意点として公認心理師は経過措置として、5年間はある程度誰でも受験できます。実際、心理学を専門に学んだことのない介護士、占い師、僧侶なども受験しています。そのため、公認心理師に関しては、臨床心理士の資格を持った公認心理師、もしくは大学院を修了した公認心理師かどうかを確認する必要があります。
信頼できるその他の心理カウンセラー資格
この記事のタイトルは「心理カウンセラーの信頼できる資格は基本2つだけです」となっていますが、僕が「基本」と書いたのは理由があります。それは臨床心理士・公認心理師ではないけれど信頼できる資格は存在するということです。
臨床心理士・公認心理師は難易度が高くて難しいけれど、なんとか心理カウンセラーになりたいという方もいると思います。
そこで、他の信頼できる心理カウンセラーの資格も紹介します。ただし、あくまで社会的には臨床心理士・公認心理師が最も信頼できる資格であることに変わりはありません。
臨床心理士・公認心理師以外で信頼できる資格には、以下の3つがあります。
・臨床発達心理士=発達に特化した心理士資格
・学校心理士=学校に特化した心理士資格
・特別支援教育士=特別支援教育に特化した心理士資格
いずれも臨床心理士・公認心理師同様に、基本的には大学院卒程度の心理学の知識が必要となります。
そのため、難易度は高めです。臨床心理士・公認心理師にはなれないけれど、準ずるレベルで心理カウンセラーになりたいという場合はこれらの資格を目指すことをおすすめします。個人的にはこれらの資格にも信頼を置いています。
とはいえ、「大学院レベルで知識を身につけて心理カウンセラーを目指すなんて自分には無理!」と思われている方もいるでしょう。そこで、「大学院レベル」という条件を除いても、ある程度信頼がおける心理カウンセラー資格も合わせて紹介します。
それは以下の2つの資格です。
・認定心理士
・産業カウンセラー
ここが信頼できる心理カウンセラー資格の限界です。
「大学院」という条件を除いて、心理カウンセラーを本気で目指す場合、個人的には認定心理士をおすすめしています。
通信大学でも2年間ほどで資格取得することができ、心理学の基礎を修めたことの証明になります。
その他にも心理カウンセラーの資格はたくさんありますが、正直、それらの資格は必要ありません。
たいていの資格が2ー3日の講習で取れるものであり、取得しても心理職として働くことは不可能です。
そこにお金と時間をかけるくらいなら潔く認定心理士を取得しましょう。
まとめると、信頼できる心理カウンセラー資格は以下の資格です。
まとめ
<最も信頼できる資格>
・臨床心理士
・公認心理師
<信頼できる資格>
・臨床発達心理士
・学校心理士
・特別教育心理士
<ある程度信頼できる資格>
・認定心理士
・産業カウンセラー
コラム
民間の心理学の資格は星の数ほどあるのが現状です。心理職に興味がなく学問的なことというより、即使える心理テクニックだけを学びたいという方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、NLPを学び資格取得することをおすすめします。
NLPはNeuro Linguistic Programmingの略で日本語では「神経言語プログラミング」と呼ばれる心理学の分野です。創始者はリチャード・バンドラー&ジョン・グリンダーで、1970年代に開発され、日本には1990年代以降普及していきました。目線の動きで相手の記憶や感情をプロファイリングする「アイアクセシングキュー」や学習心理学のレスポンデント条件付けを応用した「アンカリング」など独創的で実用的な技術が豊富に存在します。
NLPの資格取得は創始者リチャード・バンドラーが認定に関わる「米国NLP協会™認定 NLPプラクティショナー」一択です。NLPはイメージを使った技法なども多いため、派生した怪しい団体なども多く存在します。
そのため、資格を取るならば「米国NLP協会™認定 NLPプラクティショナー」です。
参考までに、下記の講座では資格取得できるようです。トップページの「心理カウンセラー」項目内に「米国NLP協会™認定 NLPプラクティショナー」資格についての説明があります。
✔︎カウンセラーとセラピストの違い
ここまで心理カウンセラー資格を紹介してきましたが、カウンセラーとはそもそも何なのかという話をしておきたいと思います。
多くの人がイメージしている心理療法を行ってクライエントの心を治していく心理士というのは、正確にはサイコセラピストです。サイコセラピストとは臨床心理学の専門家であり、欧米ではカウンセラーとは明確に区別されます。
つまり、正確に言うと臨床心理士などの資格はサイコセラピストです。
カウンセラーという言葉は、「相談員」という意味です。
本来、心理療法を行う専門家を表す言葉ではありません。
例えば、スクールカウンセラーという職業がありますが、これは厳密にはスクールサイコセラピストというべきものです。
正確には、教員の相談員がスクールカウンセラーです。
ただ、日本はこの辺りを混同しています。
要するにある業種の相談員がカウンセラーなのであって、カウンセラーは心理学の専門家とは限りません。
「なぜ心理学の資格もないのにカウンセラーと名乗っているのか?」という批判をする人もいますが、カウンセラーと名乗るのは語源的にも問題はありません。セラピストと名乗る方がよっぽど問題です。
もちろん、無資格で「心理カウンセラー」と名乗るのは、問題があると個人的には思いますが。
まとめると以下のようになります。
・心理療法の専門家=セラピスト
・相談員(業種は問わない)=カウンセラー
✔︎心理職は非常勤が多い
ここまで読み進めていただいたらわかるように資格を取って心理職になるのは、厳しい条件をクリアしなければなりません。
特に臨床心理士・公認心理師の場合は、大学院に入ることが難関な上、無事入学できても卒業してその後、難関試験を突破しなければなりません。
授業・ゼミ・研究・ケース・ワークショップへの参加など心理学の専攻生は朝9時〜夜10時まで、すし詰め状態のスケジュールであることも珍しくありません。
時間もお金も労力も人一倍かかります。
しかし、心理職の待遇は業界でも問題になっているほど悪いのが現状です。
特に国家資格ができても相変わらず非常勤職が目立ちます。
そのため、これから心理職を目指される方は、臨床心理士・公認心理師などの難関資格を取ってはじめてそこそこの安定が得られる可能性があるくらいに考えておいた方が良いでしょう。
臨床心理士・公認心理師以外の資格では、先ほど紹介した信頼できる資格(臨床発達心理士・学校心理士・特別支援教育士)であっても、教員免許など近接領域の他資格との組み合わせがないと生かす場面は少ないかもしれません。
認定心理士・産業カウンセラーについてはさらに厳しいのが実態です。
単体での就職はほぼできないと考えた方が良いでしょう。
ただ、「会社員+産業カウンセラー」など本職と上手く組み合わせることで、社内での心理支援が行える可能性があります。
また、稀にですが認定心理士や産業カウンセラー単体の求人も存在します。
いずれにせよ本職ありきで取得を目指した方が良いでしょう。
ここまでの記事を読まれた方の中には、「苦労して資格取っても意味ないんか・・・」と悲観的に思われた方もいることでしょう。世の中には「1日で取れる◯◯カウンセラー講座」というものがあまりにも多く、甘い言葉を鵜呑みにして心理カウンセラーと名乗ってしまっている人もいます。
そこで、この記事ではあえて心理カウンセラー資格の実際を書きました。
甘くはない業界ですがやりがいはありますし、何より心理学は奥深く学ぶ価値のある学問だと思います。
興味を持たれた方は自分に合った心理カウンセラーの資格を取得してください。
長い道のりにはなるかもしれませんが、資格は人生の大きな財産になるはずです。
というわけで今回は以上です。