ストレス

私たちが現在抱いているストレスという概念は、セリエという心理学者によって提唱されたものです。

セリエは私たちにストレスを与えるものをストレッサーと呼び、精神的なストレッサー、物理的なストレッサー、社会的なストレッサーなどに分類しました。

セリエ自身が後に言っているように、このストレッサーから精神的ストレッサーだけが独り歩きして、「ストレス=精神的ストレス」という考え方が世の中に定着しました。

ということで、この記事でも「ストレス=精神的ストレス」と定義して話を進めていきたいと思います。

ストレスを感じる時

私たちはどのような時にストレスを感じるでしょうか?

・夫や妻と喧嘩した時
・試験で結果が出なかった時
・告白してフラれた時

様々なシチュエーションが考えられますが、私たちがストレスを感じる時にはある共通点があります。

それは「期待と現実がズレている」ということです。

事例

例えば、告白してフラれたというシチュエーションを考えてみましょう。

あなたは職場のA子ちゃんのことが大好きです。
A子ちゃんは22歳の新入社員で、黒髪で清楚、目が二重で美しく、笑顔が素敵な女の子です。

あなたは A子ちゃんが入社してきた時に一目惚れしました。
それからというもの、毎日、A子ちゃんのことが頭から離れません。
A子ちゃんのことを考えただけで、なぜか少し恥ずかしさを感じます。

あなたはA子ちゃんと少しでも仲良くなりたいと思い、恋愛心理学の本を読むことにしました。
付き合うことを目標に心理テクニックを実践しようと考えたのです。

恋愛心理学の本にはミラーリング(相手のしぐさを真似ることで好意を抱かせる)という心理テクニックが載っていました。
あなたは「これは使える!」と思い、早速A子ちゃんのしぐさを真似ることにしました。

するとどうでしょう!
あなたが話しかけると、A子ちゃんの笑顔が増え、少し頬を赤らめて恥ずかしそうな顔をします。

あなたは恋愛心理学のテクニックの効果に驚きます。
心なしかA子ちゃんと目が合うことが増えたようにも感じます。

また、なぜか同僚や先輩があなたとA子ちゃんの噂をするようになり、先輩は「確実なんだから告白しちゃえよ!」なんて無責任なことを言ってきます。

あなたは「みんなメチャクチャだなあ」と思いながらも、「客観的に見ても俺とA子ちゃんはできてるように見えるんだな」と感じて少し恥ずかしくなります。けれど少し嬉しい気持ちも感じます。

あなたは意を決してA子ちゃんを食事に誘います。告白しようと考えたのです。
するとA子ちゃんはとても恥ずかしがりながら、「…はい!」と嬉しそうに答えてくれました。

あなたはA子ちゃんを夜景の見える高級レストランに連れていきました。
食後には一緒に泊まれるように高級ホテルの予約も済ませてあります。

意識は食後にホテルに行くことに向いていますが、「何を考えてるんだ自分は!」と恥ずかしくも嬉しい気持ちになりながら、あなたはまずはA子ちゃんに告白しなければと考え直します。

職場の同僚や先輩たちが「ヒューヒュー」とからかってくる姿が簡単に想像できます。
この後、A子ちゃんとホテルで一緒に寝ている姿はもう確実な未来として感じられます。

あなたはA子ちゃんに告白しました。
「必ず幸せにするから俺と付き合ってほしい」

しかし、ここで予想外の出来事が起きました。

A子ちゃんは、「ごめんなさい、生理的に好きになれません。」と言い残してレストランを去っていったのです。

ストレスの正体

このストーリーの主人公は最後にどう感じたでしょうか?
おそらく顔が青ざめ、絶望的なストレスを感じたことでしょう。

なぜ彼は強いストレスを感じたのでしょうか?
それは期待と現実が大幅にズレているからです。

彼はA子ちゃんと付き合える未来を確信していました。
だからこそ告白したのです。これが期待です。

しかし、現実は断られました。
これが現実です。

私たちがストレスを感じる時、そこには必ず「期待と現実の差」が存在しています。

期待していたことが達成されなかった時、私たちはストレスを感じるのです。
また、期待と現実の幅が大きければ大きいほどストレスの度合いも大きくなります。

このストーリーでは、期待と現実の差がとても大きなものであったため、彼は大きな絶望を感じることになります。

期待値を下げる

では、彼が絶望的なストレスを感じない方法はあったのでしょうか?
答えはYESです。

彼はあまりに期待しすぎました。

人間は自分だけで考えていることには確信があまり持てない一方で、誰かからお墨付きをもらうと舞い上がってしまいます。

彼は同僚や先輩からも自分とA子ちゃんの関係が恋愛関係に見えると指摘されたことにより、A子ちゃんと付き合えるのは確実なことだと早合点してしまいました。

その結果、絶望的なストレスと恥を感じることになってしまったのです。

このような結果にならないためには、同僚や先輩に言われたとしても「確実なことなど世の中にない」と自分に言い聞かせ、期待しすぎない必要がありました。

ストレスは期待と現実の差によって生じるため、期待さえしなければストレスを感じることはありません。

ストレスマネジメント

とはいえ、何に対しても期待しないとなると無気力な人間になってしまいます。

セリエは「ストレスは人生のスパイスである」とも言っており、ストレスの必要性も指摘しています。

要はストレスをどの程度受けるかを自分でコントロールする必要があるということです。

受けすぎず受けなさ過ぎず。期待せず期待しなさ過ぎず。

といったところでしょうか。

このような微妙なバランスを自分で調整するのがストレスマネジメントなのでしょう。

今回はどれくらい期待しようか?

新しいことに挑戦する時、自分で期待値を調整しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です