なぜ愛着がないとまずいのか?人生を大きく左右する愛着の心理学

愛着がないと人生はまずい?

愛着とは養育者との心理的な絆のことです。

アタッチメントとも呼ばれます。

 

赤ちゃんは母親から全幅の信頼と愛情で抱きしめられて育つからこそ、外部の環境や他者と関わろうとすることができます。

母親は赤ちゃんにとっての安全基地です。

なんらかの原因でこの安全基地が確保できなかった子どもが呈する症状のことを、ボウルビィはホスピタリズム(施設症)と呼び問題視しました。

 

もしあなたが対人不安などに悩んでいるとすれば、その問題の原因は幼少期の愛着の問題にあるのかもしれません。

 

ボウルビィの3つの概念

ボウルビィは愛着について3つの概念を提唱しました。

 

①ホスピタリズム

ボウルビィは施設にいる子どもは、言語・知能・運動能力・社会的能力が低下すると主張しました。

このような現象のことをホスピタリズム(施設症)と名付けました。

 

②マターナル・ディプリベーション(母子剥奪)

ボウルビィは母子剥奪が子どもの発達に大きな影響を与えると主張しました。

この概念は発達障害の原因が母親の育て方にあるといった誤った概念を広める結果にもなりました。

 

③内的作業モデル

ボウルビィは、子どもには母親との人間関係のパターンがその後も内面に存在しており、そのパターンを利用して他者と対人関係をとろうとすると考えました。

 

要するにボウルビィは、母親との愛着形成が子どもにとって非常に重要だと考えたのです。

 

ボウルビィの過ち

ボウルビィの概念は私たちの感情的にもよく理解できるものだと思います。

赤ちゃんに母親がいないと発達に問題が生じるのは予想のつくことです。

だから、ボウルビィの概念は広く受け入れられました。

 

しかし、その一方で彼の概念は母親たちに強いプレッシャーを与え、責任を押しつけるものにもなりました。

彼の研究から、母親との愛着が上手くいかないと発達が遅れ、発達障害になるリスクもあると考えられたからです。

特にボウルビィの概念は、「自閉症の原因は母親の養育態度にある」という風潮を生み出しました。

これがボウルビィの過ちです。

 

しかし、後の研究で養育者が母親でなくても正常な発達が見られました。

そのため、現在では母親に限らず、養育者との愛着形成の失敗が発達に影響を与えると考えられています。

母親に限らないという点がポイントですね。

 

それでも愛着は最重要

ボウルビィのマターナル・ディプリベーションの概念が誤りだからと言って、愛着が重要ではないということではありません。

むしろ、愛着は母親でなくても形成可能であるということがわかっただけで、愛着形成の問題が子どもの発達に大きな影響を与えるという事実は何も変わっていないのです。

 

ライフサイクル説で知られる精神分析のエリク・エリクソンは乳児期に子どもが獲得すべきものとして基本的信頼を挙げています。

この基本的信頼が獲得されないと子どもは不信を獲得してしまうことになり、他者を信頼できず、不安の強い子どもになってしまいます。

 

もしあなたがいつまで経っても対人関係において強い不安が拭えないのであれば、この愛着の問題が隠れている可能性があります。

また、愛着形成に失敗している人は、ストレスにとても弱いことがわかっています。

 

後天的に愛着を形成する

先天的な愛着形成が望めなかった場合、後天的にそれなりの愛着形成を図ることができます。

 

ただ、愛着の問題はクリティカルエイジ(臨界期)の問題とも関係が深く、そう簡単には解決できないものです。

臨界期(敏感期)とはその時期にしか獲得できない期間のことです。

 

なので残念ながら、先天的な愛着を丸々取り戻すことはできません。

それでも、それなりに改善は見込めます。

 

後天的に愛着を形成するためには、まず重要な他者を探すことです。

愛着問題を抱える多くの人の場合、母親や父親との関係修復は難しい状況にあるでしょう。(これができればベストですが)

 

そこで、良い彼女彼氏をつくることをオススメします。

ポイントは「良い」という点です。

 

せっかく付き合ってもDV彼氏では、愛着形成なんて望めるはずがありません。

選ぶポイントは直感と自然にいられるか?です。

 

もっというと波長が合うなと感じる人を選択してください。

収入や外見のような一般的に良いと言われている指標で選ぶのではなく、自分の気持ちに素直に波長が合うかどうかで選択しましょう。

 

ここで良いパートナーを見つけたら愛着の問題は解決できる可能性があります。

ただし、依存するようなパートナーもダメです。

 

あくまで互いが自然にいても楽しくいられる。

そういう関係でないと上手くいきません。

 

どうしてもパートナーが見つからないという人は親友でもいいので、とにかく自分にとって重要な他者を見つけて、自分が信頼できる人との一対一の関係を丁寧に築くことから始めてみてください。

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