【IPT】「期待のズレ」に気づけば人間関係の悩み99%は解決可能

治療法としての対人関係療法

対人関係療法(IPT)には「対人関係の不和」という問題領域が存在します。

これは元々、配偶者間の対人関係の問題からうつ病になるクライエントを想定しての問題領域です。

 

IPTでは4つの領域の1~2つを選択して治療を行いますが、「対人関係の不和」を選択した場合、夫婦間の「期待のズレ」に焦点を当てて、「互いの期待がズレていないか?」ということをクライエントと共に探っていきます。

そして、ズレが発見されたら、どのようなコミュニケーションを取れば良いのかをロールプレイ等を通して確認していきます。

 

最後に家に帰り、実験的に実践してもらいます。

その繰り返しを行うことで、「期待のズレ」が小さくなり、徐々に症状が緩和されていくのです。

 

この一連の流れは実際に心理士や精神科医がIPTを適応するときの進め方です。

IPTは心理学のプロがやるものであり、自分には関係ないと思われたかもしれません。

 

しかし、もしあなたが今、人間関係で悩んでいるとしたらIPTを学び、自分で適応することで問題が解決される可能性があります。

特に「期待のズレ」に焦点を当てることで人間関係の悩みは解消されます。

 

「期待のズレ」とストレス

私たちの心は期待と現実がズレたときにストレスを感じるようにできています。

ズレ幅が大きければ大きいほどストレスも高まります。

 

例えば、あなたがお腹ぺこぺこでレストランに入り、注文してから2時間も3時間もウェイターが料理を持ってこなかったらどう感じるでしょうか?

想像しただけでイライラしますよね。

 

なぜイライラするのかというと、「注文して10分程度でウェイターは料理を持ってくるだろう」というあなたの期待に反して、「2~3時間待ってもウェイターが料理を運んでこない」という現実があるからです。

つまり、あなたの期待と目の前で起こっている現実が不一致なのです。

 

だから、イライラしてストレスが溜まるのです。

この現象は人間関係においても全く同じです。

 

ある友人のトラブル事例

先日、ある友人から僕に相談の電話がかかってきました。

彼の悩みは彼の彼女のことでした。

別れ話を自分から切り出して、トラブルになったというのです。

 

別れ話をするぐらいだから、友人はさぞ彼女と別れたいんだろうと思ったら本当は別れたくないのに一時の感情で別れ話を切り出してしまったというのです。

事の発端はこうです。

 

一緒にTVを見ていた時、彼の彼女が「嵐の大野くんがかっこいい!大好き!」と叫んだそうです。

それに対して、友人は「俺が隣にいるのによく他の男のこと好きとか言えるな!」と激怒して最終的に別れ話を切り出してしまったのです。

この話を僕の友人が器量の小さい男だと言って切り捨てるのは簡単ですが、「期待のズレ」を考えるのにとてもわかりやすい事例なので少し考えてみましょう。

 

「期待のズレ」を明確化する

友人の事例では、友人と彼の彼女という二人が登場人物です。

それぞれの期待を考えてみましょう。

 

まず、友人は「彼女は自分に対してだけ好きという気持ちを抱いてほしい」という期待を持っていますね。

ですから、彼女が他の男の人(芸能人ですが…)に対して「好き」という言葉を使うことが我慢ならなかったわけです。

 

一方、友人の彼女はこのトラブルが起きるまで深く考えていなかったでしょう。

「芸能人と現実の彼氏はまた別」と考えていたでしょう。

 

少なくとも友人の彼女は「芸能人のことを好きと言っただけでここまで嫉妬されるとは思わなかった」と感じているはずです。

つまり、互いの期待にズレが存在していたのです。

IPTでは、このように互いの「期待のズレ」を明確にします。

 

コミュニケーションで修正を図る

「期待のズレ」を明確化できたら次はこのズレを修正する作業を行います。

そのために重視するのがコミュニケーションです。

 

IPTでは「期待のズレ」と共に「コミュニケーション」を非常に重視します。

「期待のズレ」の明確化 → コミュニケーションによる修正

というプロセスを経て治療を行います。

 

今回の友人の事例であれば、「芸能人といえども他の男の人を好きだと目の前で言われることが嫌だと感じてしまった。重たくてごめん。」というように友人側から彼女に対して気持ちを伝えます。

このように明確にコミュニケーションを取れば、彼女の方も「そんなふうに思っていたんだ」と気づくことができます。

 

お互いの「期待のズレ」がコミュニケーションによって修正される瞬間です。

ここまでくれば互いに話し合い、例えば、彼女の方は「目の前では控え目にするね」、彼氏の方は「笑い飛ばせるぐらいの男になるよ」などと言って共同で解決策を探ることができます。

これにより「期待のズレ」の修正がはかられて、問題解決へと向かうのです。

 

セルフIPTをやってみよう

事例を参考にここまでお伝えしてきましたが、次はあなたの番です。

もし今、人間関係に悩んでいるならば、まずはその相手と自分との具体的な会話のやり取りを思い出しましょう。

 

どこかに「期待のズレ」が隠れているはずです。

あるいは相手はこう思っているはずだと思い込んでいるだけかもしれません。

 

「期待のズレ」が明確化されたら、次にどのようなコミュニケーションをすればズレを修正できるのか探ってみましょう。

そして、仮説を立てて、試しに実践してみるのです。

 

上手くいけばそれで良いですし、イマイチだと思ったらさらに分析を加え、コミュニケーションで修正をはかるということを繰り返します。

このようにして相手との「期待のズレ」が少なくなっていけば上手くできています。仮に上手くいかなかったとしてもこのような作業を行うことは対人関係の能力を鍛えていることになりますので、決して無駄にはなりません。

ぜひ、試してみてください。

 

※対人関係療法については以下の記事に詳しく記載しています↓

対人関係療法(IPT)とは何か?認知行動療法と双璧を成す心理療法

 

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