希少性の法則

以前、「返報性の法則」についての記事を書きましたが、今回も『影響力の武器』シリーズです。

今回ご紹介するのは「希少性の法則」です。

「希少性の法則」とは「数が少ないものは価値が高い」と感じる人間の自動反応のことです。

「そんなの当たり前じゃんー」と思われる方もいるかもしれませんが、当たり前だからこそ恐ろしいのです。

私たちが当たり前に感じるほどに生活に人間に根付いた自動反応の一つ。

それが「希少性の法則」なのです。

 

心理学とバイアス

心理学に興味を持ったことがある人ならば、「バイアス」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

「バイアス」とは認知の偏りのことを指す心理学の専門用語です。

例えば、前回の記事で紹介した「単純接触効果」は、何度か会っていると好感度が上がるというバイアスです。

前回の記事はコチラ↓

復縁の心理学。恋愛に心理学は生かせるか?

他にも僕が専門にしているコールドリーディングは「バーナム効果」というバイアスを前提に技術が構成されています。

このようなバイアスは現在200以上見つかっています。

最近ではお金にまつわるバイアスなんかも出てきていて、研究が進むに連れてさらに多くのバイアスが発見されていくことでしょう。

「希少性の法則」もこのバイアスの一つです。

しかし、バイアスについては多くの人が見落としている秘密があります。

それは「バイアスの強さには差がある」ということです。

 

バイアスと自動反応

ポケモンのジムリーダーに四天王がいるように、バイアスの世界にも六天皇とでも呼ぶべき強者たちが存在します。

それが自動反応と呼ばれる6つのバイアスです。

・返報性
・希少性
・社会性
・一貫性
・権威性
・好意

これら6つが自動反応です。

自動反応を最も良く表すキーワードは「逃れられない」でしょう。

これらのバイアスは私たちの生活に深く根付き、誰しもが自動的に影響を受けてしまうもの。

すなわち「影響力の武器」なのです。

「影響力の武器」は一度スイッチが入ると、まるでカセットテープのように「サーッ」と反応が起きます。

それはあたかも私たちが熱いお湯に手を触れた時に、自動的に手を引っ込めるかのように起こるのです。

 

ある宝石店の例

はじめにお伝えした通り「希少性の法則」とは「数が少ないものは価値が高い」というバイアスです。

しかし、お伝えした通り「希少性の法則」はバイアス六天皇の一つであり「自動反応」です。

希少性の法則を紹介している書籍『影響力の武器』では、宝石販売店の例が挙げられています。

ある宝石販売店の店主はターコイズ(宝石の1種)が売れないことに困っていました。

質が高く値段は安めに設定してある明らかにお買い得な商品でした。

それにも関わらずこのターコイズがなぜか全く売れないのです。

 

そんな中、店主が用事で店を離れることになりました。

店主は自分が店を離れている間にこのターコイズを売り切るように店員たちに伝えました。

「2分の1の値段で売りなさい」

とだけ伝えて出て行ったのです。

 

しばらくして店主が帰ってきた時、このターコイズは見事に全て売れていました。

当然、店主は店員たちが指示通りターコイズを半分の値段で売ったから全てのターコイズが売れたのだと思いました。

しかし、ここである驚くべき事実が判明します。

なんと店員たちは店主の「2分の1の値段」を「2倍の値段」と聞き間違い、あろうことか2倍の値段でターコイズを販売していたというのです。

 

希少性の脅威

では、なぜ2倍の値段にしたにも関わらずターコイズは全て売れてしまったのでしょうか?

ターコイズが値段を変えた瞬間に売れたのは「希少性の法則」が働いたからです。

「希少性の法則」は「数が少ないものは価値が高い」と考えてしまう自動反応です。

この法則は「値段が高い=価値が高い」という思考も生み出します。
値段が高いものは数が少なく価値があるはずだと考えるからです。

ターコイズの値段が2倍になってことで客たちは「値段が高い=価値が高い」という自動反応のルールに照らし合わせてターコイズを購入した。

それがこの事例のカラクリです。

もちろんターコイズの質が良かったということも要因としてありますが。

「数が少ない」「値段が高い」「期限が定められている」

こんな時、私たちの自動反応は顔を出すのです。

「期間限定」「数量限定」などの言葉に誘われて無駄な買い物をしてしまった経験は誰にでもあると思います。

後から考えれば「なんでこんなもの買ったんだろう?」と思うような状況ですね。

もうお分かりだと思いますが、これらも全て「希少性の法則」が働いた結果なのです。

 

希少性の罠を抜ける

最後に「希少性の法則」に抗う術をお伝えしたいと思います。

世の中には「希少性の法則」悪用して、人々を騙そうと企む人たちが存在します。

そんな人たちの罠にハマらないようにする方法は一つだけです。

「希少性の法則」という自動反応が存在するということを意識しておく。

これに尽きます。

これは他の自動反応にも言えることですが、自動反応はその名の通りスイッチさえ入れば自動で生じます。

それゆえ対処が難しいのですが、自動反応が存在することを知っておけば意識的に対処することができます。

例えば、「期間限定」の文字を見て「今の内に買っといた方がいいかな?」と思ったら、「待てよ。これは希少性の法則なのでは?」と気づくことができます。

これが自動反応に対する唯一の対処法です。

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